日時:1996年10月9日 11:35am頃
場所:東京都北区、高齢者施設
救助者:A.U.さん(MFAプロバイダー、ご本人の希望によりイニシャルで記載)
MFA受講日:1995年12月9日
高齢者施設での活動中、別のへやの職員が突然私を呼びにきた。行ってみるとボランティア活動中の女性が床に倒れていた。 手当の訓練を受けている男性ボランティアと二人で対応した。患者には呼吸も脈も感じられなかった。MFAでは救助者1人のCPRを習ったが、男性救助者が人工呼吸を躊躇したので、彼に胸部圧迫を担当してもらって二人CPRを行った。
CPRのリズムと手順を思い出しながら続けると、途中何度か患者が荒く呼吸を始め脈も戻る。廻りに安堵の色が浮かぶが、チェックをしていると再び呼吸も脈もとまってしまい、CPRを繰り返した。しばらくして救急隊員が駆けつけ、患者を病院へ搬送した。
その後、患者は病院で息を吹き返し、後遺症もなく無事に退院したとのこと、ご本人から自筆のお手紙をいただいた。手紙には、「あの高齢者施設で倒れたから私は助かったのです。家でたった一人の時だったら、誰も気付かないうちに死んでいたかもしれません。本当にありがとうございました。」とあり、彼女の回復を嬉しく思うと共に、私自身とても幸せな気持ちになった。
私が所属している福祉協議会とボランティアセンターは毎年、ボランティアを対象にMFA講習会を開催しているが、この高齢者施設は奇しくも一昨年の会場でもあった。ボランティア講習の一環としてファーストエイドが必要だろうと漠然と考えて毎年受講してきたMFAの講習だったが、本当に役に立った。
呼吸を入れた時に最初はうまく入らなかったが、なぜだろうと考えた時、「口をもっと大きく開けなくては」と気付いたが、講習を受けた/受けないの差はこのようなところに出るのだろうと実感した。 良く知っている人だったので今回はバリアなしでできたが、全く知らない人だったら躊躇したかもしれない。また、逆に、私が何かの病気をもっていたらと考えると、感染防止は相互に大切な事だと思った。
また、ファーストエイドは一生に一度だけ受講すればいいのではないことを痛感した。一緒にCPRを施した男性は、お勤めの頃、毎年ファーストエイド講習を受けて来られたそうで、自然に体が動いたとのこと。今後もボランティア事業にかかわらず受講し続けてゆきたいと思う。
備考/救助者は、その後、東京消防庁・赤羽消防署長より感謝状を頂いている。